WATERING
水やり
「水やり」は盆栽で一番重要な作業です。
人間と同じ、特に「けやき」はノドの渇きが早いです。
根腐れを心配するより、枯れることが一番危険です。
朝晩2回の水やりを習慣にしましょう。
では、具体的な水やり方法をご案内致します。
水やり
朝晩2回の水やり
毎日朝晩2回の「水やり」これだけです。
けやきは水をやらなければ枯れてしまいます。枯れたら最後、二度と生き返りません。ですので、育てる上で一番重要なことは「水やり」と言うことです。ではどのように水を与えれば良いのでしょうか。
【一日2回が基本】
盆栽の書籍にはこう書いてあります。「土の表面が乾いたら」たっぷりと水を与える。
盆栽を長年経験しても、表面はともかく土の中の状態まで一目で判る方はなかなかいません。苔や化粧砂が敷かれていると更に乾き具合が判りません。お仕事で忙しかったり、旅行で留守にする場合など、水やりが難しい状況もあります。
そのため、朝晩2回の水やりを習慣化してほしいのです。
早朝でも、日中でも、深夜でも結構です。一日2回の水やりをお願いします。
梅雨の時期や雨の日はたっぷり水を含みますので、水やりをたまにはさぼりましょう。
落葉後の12月は1日1回。
冬場の霜や雪が降る季節は、2日に1回で大丈夫です。
【水はたっぷり】
水はたっぷりあげてください。目安は鉢底から水が流れ出る程度たっぷりと水を与えます水の勢いが強いと、鉢の中の砂や土がこぼれてしまいます。弱めのシャワーをできるだけ根本にあげてください。ドボドボではなく、小雨のイメージです。
水やりは水分補給だけでなく、鉢底から水が流れでるときに土中のガスや空気を新鮮なものに入れかえるという役割もあります。
【根本に水やり】
高いところからフリフリと優しく水を与えてください。このように書籍に書いてある場合がありますが、松などの針葉樹の方法です。
「けやき」などの広葉樹は、シャワーのように水をあげると葉っぱに水滴が残ります。その水滴がレンズ効果で、真夏の太陽光線ですと葉っぱが焼けます。日焼けはシミとなり、ひどいと葉枯れの原因となります。再び葉は出てきますが、秋の紅葉黄葉は期待できないでしょう。
【受け皿はしない】
露天で受け皿はしないが基本です。
お仕事や旅行でやむを得ない場合のみ受け皿に水をはります。
常時受け皿をしますと間違いなく「根腐れ」します。それ以外で「根腐れ」している原因はは、「根詰まり」か「土が固すぎ」て水はけが悪くなっているかどちらかです。
水はけが悪くなっていると感じたら、竹串や針金で鉢底まで何箇所か土をつついてください。貫通すれば水はけは良くなります。これで改善しない場合は、鉢から「けやき」を引き抜き、土をほぐし、長くなった根を切りそろえて植え替えます。詳細は、『植え替え』をご参照ください。
【気が付いたら土がカラカラ・・・】
気をつけていてもよくあることです。その時は、水をはったバケツに鉢ごとドボンと浸けます。時間にして約1分。こうすることで土の隅々まで水がいきわたります。
「けやき」も水浴びが大好きです。うだるような暑い日には、ドボンと水に浸けると勢いがよくなります。
【お仕事、出張、旅行中】
お仕事や出張・旅行で水やりが難しい場合。盆栽にとっては緊急事態です。
まずは帰宅後すぐにたっぷりの水やりをしてください。外出中は以下の方法で乗りきってください。
●当日帰れる場合
外出前に水を与えて、帰宅後に水やりをします。帰宅が深夜になっても水やりをしてください。猛暑になると完全に水切れなんてことに。カンカン照りのお日さまの光を一日中浴びるような環境ではお昼頃にはすでにカラカラに乾いています。
ようでしたら、屋内に受け皿に置き、乾燥から退避させます。受け皿に水をはり、鉢底から水を吸わせるようにします。1週間を上限にしてください。水が淀むと「けやき」も弱ります。帰宅後は太陽光線をいっぱい浴びれる屋外に出して水やりをしてください。気をつけていてもよくあることです。その時は、水をはったバケツに鉢ごとドボンと浸けます。時間にし日中お水をあげられない場合の夏場の水やり
<置き場所で乗り切る>
日中にお水を与えられない場合は半日日陰になる場所で管理します。直射日光や西日で乾燥しますので、日のあたる時間を短くすることで乾燥を防ぎます。午前中に光を浴びる環境がベストです。植物的には1日2時間程度の光があれば生きられます。1週間程度ですと日陰でも大丈夫です。枯らさないために生活にあわせて置き場所をかえましょう。
<水苔で乾燥を防ぐ>
太陽を浴びて表土が乾きます。置き場所で日照時間を調整出来ない場合は表土が直接太陽にあたらないようにします。表土が乾燥しないようにするには水ごけを使用するのが良いです。
水ゴケとは保水性が良く、植物の乾燥防止に使われます。乾燥された状態で園芸店で販売されているので、使用するときは水に浸して吸水させてから使用します。