> けやきの特徴[CHARACTERISTICS]
CHARACTERISTICS
けやきの特徴
雑木の代表と言えば「けやき」
全国各地の街路樹の多くは「けやき」です。
公園や山、神社やお寺の境内にも生えてるので、
非常に身近に感じられる雑木の一つです。
大昔から住宅建材、家具などにも使われておりますが、
高級品であるがため
なかなか材木としては高根の花と言えそうです。
けやきの特徴
学名分類
ケヤキ(欅、学名: Zelkova serrata、英名Japanese zelkova)
ニレ科ケヤキ属の落葉広葉高木樹。ツキ(槻)ともいう。
分類(APG III)
界:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 Angiosperms
階級なし:真正双子葉類 Eudicots
階級なし:コア真正双子葉類 Core eudicots
階級なし:バラ類 Rosids
階級なし:真正バラ類I Eurosids I
目:バラ目 Rosales
科:ニレ科 Ulmaceae
属:ケヤキ属 Zelkova
種:ケヤキ Z. serrata
出典【Wikipedia】
形態生態
高さ20 - 25mの大木になり、50mを超す個体もあります。
葉の鋸歯は曲線的に葉先に向かう特徴的な形です。鋸歯の先端は尖ります。
雌雄同株で雌雄異花です。
花は4 - 5月頃、葉が出る前に開花します。盆栽の場合は、鉢の中の栄養価が少ないため、開花することはほとんどありません。また結実することもありません。
秋の紅葉黄葉が美しい樹木です。
分布
日本と中華人民共和国中部、朝鮮半島、台湾に分布します。
日本では北海道、鹿児島、九州を除く全国に自生します。
暖地では丘陵部から山地、寒冷地では平地まで自生します。
乾燥、大気汚染、潮風には弱く、肥沃な柔らかい土壌を好みます。
適地であれば成長は早く、50mに達するものもある。
渓谷沿いや水分条件の良い平野などによく見られます。枝はほうき状に美しく広がり、公園や街路樹などにも広く植栽されてます。
特に関東平野では街路樹や公園木として広く植栽されてます。関東地方のローム層が生育に適しているのかもしれません。
種類
【赤ケヤキ】
赤ケヤキは見た目にも華やかです。
材質は重・硬の部類に入りますが切削加工は容易です。
耐朽性が良く保存性が高く、木目が美しく良い光沢があることなどから国産広葉樹の中で最良の材質の木です。
立木の外観で区別は非常に難しいです。
【青ケヤキ】
青ケヤキは青木と呼び年輪幅の広い若い木を指します。
樹皮が青味がかっているので青木と呼ばれます。
青木は辺材が厚く、心材部も青味を帯びた褐色で美しさに欠けます。
若いケヤキは辺材の成長が大きく、割ると辺材の側に大きく反る材質なので加工が容易ではありません。 このような暴れやすいケヤキを総称して槻といいます。関西では青ケヤキを槻と呼んでいるようです。
【アカとアオの見分け方】
【玉杢ケヤキ】
ケヤキの老齢木(600~2000年)の中に樹幹に大小さまざまなこぶ(玉)を形成する原木が希にあります。
このような「けやき」を板目に挽くと全面に卵の大きさぐらいの玉が浮いたような模様になります。これを玉杢と言います。
このような玉杢の発生確率は、数万~10万分の1と推定されます。そのため玉杢になる原木を育成するには、それらの親木から無性繁殖(さし木かつぎ木)によって苗を養成し植林する方法を取ります。
杢の模様は玉の大小やその密度によってさまざまに変化しますので、育成する場合のめやすは、玉が全体に均一に出ているのが理想です。
ケヤキの杢は、玉杢、如輪杢、笹目杢などがあり、突板加工されて床の間の床板違い棚の地板、棚板、地袋の天板などが銘木関係の準備品として生産されています。
ケヤキの如輪杢はあらゆる杢の中で最高級の折り紙付きの数少ない杢模様です。
【石ケヤキ、アキニレ、河原ケヤキ】
材は硬く、細工物や車軸などになります。また樹皮から縄が作られます。
葉っぱは表面がザラザラした手触りです。
【紫ケヤキ】
【犬ケヤキ】
【御所ケヤキ】
【黒ケヤキ】
【ツクモケヤキ】
成長が遅いため庭木に向いています。
【ムサシノケヤキ】
枝がホウキ状にならずに直立するけやきです。
けやきの特徴
葉
●けやきの葉は左右互い違いに生えます。長さ2~10cm。
●基部は浅い心形か、円形です。
●先端は長く尾状に伸びて尖ります。
●縁には屈曲する鋸歯があり、葉脈の先端が鋸歯の先端に伸びています。その様子は裏面よりも表面からのほうが、よくわかります。
●両面無毛ですが、ザラザラしてます。
●新芽は黄緑、成長とともに濃い緑色になります。
●街路樹として植樹されているけやきは、夏までに交通の妨げになるという理由で、チェーンソーで伐採する自治体があります。枝葉が少なくなるため、そこに栄養が集中してしまい、一枚一枚の葉が極端に大きくなります。1,000円札より大きく成長してしまう場合があります。
<<けやき盆栽>>
●けやき盆栽の葉は、小さければ小さいほど好まれる傾向にあります。理由は盆栽の大きさに対し、小葉ですとバランスが良いからです
●小さい葉を出させるポイント
◎6月の葉刈りを行うこと。
◎肥料をできるだけ少量にすることです。
花
●けやきの花は、葉の展開と同時に開きます。3月~4月。
●雌雄同株です。新しい枝の基部に雄花が、先端に雌花が付きます。雄花は4~5裂する赤い花被の中に4~6コの雄しべがあります。おしべの先端にある葯は2つの袋からなっていて、これが大きく裂開して一挙に花粉を放出しているように見えます。
<<けやき盆栽>>
●盆栽ですと地面とは違い土の量が少ないです。そのため、花を持つまでの栄養価が少ないと考えられるため、花はほとんどつきません。
紅葉黄葉
●ケヤキの紅葉色は個体ごとに異なります。赤、橙、黄、茶…とバラエティに富んでます。どの色になるかは遺伝的要素が強いです。
●90%以上は黄色く紅葉します。
●真っ赤に紅葉するケヤキは非常に珍しく珍重されます。赤く紅葉する親の影響が強いのですが、子どもが赤く紅葉する確率は半々です。黄色優勢のようです。
●色づきは生育する土地や気候の影響を受けやすいです。寒暖差が激しい地域では、赤は真っ赤、黄は真っ黄色になります。
●茶色になる場合は、夏場の日焼けが強すぎたか、車などの排気ガスの影響が強いと考えられます。
枝
●枝は生長点が無くなるまでずっと伸び続けます。3m以上1本で伸び続けることもあります。
●葉は枝から左右交互に出ます。
●生長点を切ることで、小枝が増えます。
樹皮
●ケヤキの樹皮は、若木では灰白色で平滑です。
●成長するにしたがって鱗片状に剥がれます。 剥がれ始めるのは直径30cm前後が多いです。全体がうろこ状に剥がれるのは、樹齢50年前後で直径50cm程度です。 大径木の樹皮は、うねり模様が面白い樹皮となるものもあります。
果実
●ケヤキの果実は、葉腋に付き、大きさは5mmほど。形は不定形で、秋に黒く熟します。
●果実の付く枝は細く、葉も3~5cmほどの大きさしかありません。枝全体が果実が付くタイプのものに変化します。このような枝は、果実を実らせた後は自然に脱落してしまい、成長することはありません。果実をつけたまま脱落した枝は、果実だけよりも遠方に散布され、種子散布に貢献します。
虫こぶ
●ケヤキの葉には、袋状の虫えいが良くできます。ケヤキハフクロフシと呼ばれてます。
●ケヤキヒトスジワタムシ Paracolopha morrisoni という虫によって形成され、高さ10mm、幅5~6mm。 虫えいの中で増えた虫には全て翅があり、脱出してタケやササに移動します。10月ごろに再びケヤキに帰ってきて、有性世代を産み、卵で越冬します。春に孵化し、葉の裏側から吸汁してこのような虫えいを作られます。 虫が脱出した後の虫えいは茶色になって枯れてしまいます。たくさん寄生されてもケヤキが枯れることはありません。
けやきの特徴
木材
●日本の広葉樹の中で最優良材の一つとされてます。ケヤキの材は木目が美しいので建具、大黒柱、家具やお盆などに使われます。曲木に適してます。
●ケヤキ材は木目が美しく、磨くと光沢を放ちます。堅くて摩耗に強いため建材のほか家具やお盆などにも使われます。 日本家屋の建築用材としても古くから多用されます。神社仏閣などにも用いられました。現在は高価となり、なかなか庶民の住宅には使えなくなっています。
●伐採してから、乾燥し枯れるまで、左右に大きく反っていくので、何年も寝かせないと使えません。特に大黒柱に大木を使った場合、家を動かすほど反ることがあるので大工泣かせの木材でもあります。立木から切り倒して使えるまで10年かかると言われてます。
●また、中心部の赤身といわれる部分が主に使われ、周囲の白太は捨てられるので、よほど太い原木でないと立派な柱は取れません。
●断面を見ると太い導管のある部分とない部分が明瞭で、年輪は数えやすいです。太い導管を持つ植物は、葉からの水分蒸発量が多い植物であると考えられます。ケヤキが渓谷などに多いことと、関係があるのかもしれません。
●なかでも、赤ケヤキは見た目にも華やかです。材質的にも優れているため、高値で取引されてます。立木の外観で区別はたいへん難しいです。